住民パワー

現代の特徴は、現場が中から外ヘと拡がりつつあることです。権力の場が企業のトップや政治家など特定の少数者に集中していた時代から大多数を占める国民全体へと外へ拡がっています。企業の意志決走の現場はメーカーの設備や技術によって決められていた、メーカー志向の時代から、メーカーの外の消費者の求めるものを売るという消費者志向ヘと移っています。学間の場はかつては大学の中に集中していましたが、勉強するのは大学の中にいる大学生ではなく大学の外に大きく拡がりました。一般ビジネスマンという時代になってきた。大企業のビジネスマンだけではなく、小売商のようなかっては情報に殆んど無関心だった人たちも、最近では、講習会やセミナーに熱心に集っています。勉強の現場が中から外へと移ってきたということです。そしてこの傾向はますます外ヘ外へと拡がりつつあります。メーカ−志向から消費者志向ではもはや充分ではく、自社の製品を全く買ってはいない非消費者にまで、常に目を拡げておかなくてはならない特代が来たのです。消費者よりも一周り広い住民全体に注意する時代なのでする。
実に多くの現象がこの中から外ヘの大きな流れを示唆しています。住民パワーという言葉が生れ、これが現代最大の間題点として浮び上ったのも当然なのです。この傾向はコミュニケーションメディアの発達によって場が国内から地球全体に拡がります。単に日本内部の住民だけではなく地球人種全での動向を考える方向へと拡がっていきます。
電力不足は年々深刻になっており、特に褐水期の夏は酷く、その結果、節電が叫ばれ騒ぎが方々で起るようになるでしょうが、その原因は第一番に住民パワーにあります。発電所を作ろうとしても土地付近の住民の反対で作れず、発電所を作る技術や建設資金のお金を借りる必要があるほどのお金が足りないわけでもありません。電力会社は住民パワーさえなければどんどん研究所を増設し、電力不足を解決できるのです。電力不足の結果、企業が操短し、その結果として物が生産されなくなります。特に重化学工場の操短は、その製品が多くの消費物資の二次加工に深刻な影響を及ぼします。住宅建設に支障をきたし、電力は何とかなったとして、物が不足しているので大企業が工場増設を計画すると、たちまち住民パワーが反対運動を起きます。公害の恐れの多い工場増設だけではなく、田舎暮らしでもスーパーが店鋪を新設しようとする場合でも今やスーパー経営者の注意と問題は近隣住民との話し合いについやされるというのです。付近の小売店街や住民との話し合いの成立いかんが店舗新設のキーポイントとなってきました。日照権間題にしても道路建設にしてもごみ焼却場建設にしても全て住民パワーとのかかわりなしには考えられません。いかに権力と資力と技術力をもっていても住民がNOといえば終りなのです。全ての意志決定、実行の場が中から外ヘと移行しつつあるのです。
住民パワーは、その住民の数が多くなるだけ、多岐性を帯び、企業経営者や政府の役人の一貫性のある、効率の高い実行力を鈍らせることとなります。住民パワーはしばしば、非論理的、感情的でもあるために、いかに論理的に納得のいく計画でも実行されなくなって行きます。論理性と有効性、効率といったものは正比例するために有効な処置がとれなくなっていきます。文明社会の歩んで来た方向や効率の追求、その結果としての前進は大きく方向転換せざるを得なくなります。能率一本槍の生き方、進歩の意味を住民が疑うようになっているのが現代なのです。

時代と感覚

家と間取り

家を建てる場合、家族で知恵を出し合い間取りを決めたり、少ないお金でより良い家造りをしなければなりません。そのためには住宅雑誌を何冊が読んで勉強することも大切です。住宅雑誌を数冊買ってもせいぜい一万円程度のお金しかかかりません。それで何百万円も得をすると考えたら家計的にも安い投資です。そして住宅展示場を何軒か回ったり、新築後数年経過した家なども見せてもらいましょう。そして感想や間取りのアドバイスを話してもらいましょう。多くの中小工務店はモデルハウスを持っていないために、実際に建てた家を数軒見せてもらうことも必要です。

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