脱文明
数百年続いた工業化時代から、現在は脱工業化社会へ入っています。工業文明が荒らした緑の野山ヘ脱工業化時代の若者達は帰ろうとしています。若者は未来を志向し、若者の目指す方向がこれからの社会の方向を示しています。特に近年のように若者が年配者や権力者の支配から自由に発想し、行動する時代には、若者の志高はそのまま未来をさし示しています。15世紀、グーテンベルグが活字を発明してから始まった工業化時代は今現在、脱工業化、脱文明時代へと脱皮しようとしています。文明仕の波が自然との調和を破壊し、公害をひき起こすとするならば、脱文明化の動きは自然との調和を回復しようとしています。芸術家達は、すでにこの脱文明時代の到来を予言していました。都会は人の住む所ではないといったのはロダンです。森の哲学者と言われ、ウオルデンの森を著わしたソローもこの一人でした。少数の真の芸術家のみが前を見る、大衆は前を見ているつもりでバックミラーを見ていると言ったのはマクルーハンですが、バックミラーを通して過ぎ去った過去を見ている大衆ですら、緑の田舎に最高の憧れもち始めたという事実は脱文明時代がすでに始まったことを示しています。

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