ソフトランディング
ソフトランディングとは、ソフトなランディング上陸、着陸という意味で、つまり大地あるいは対象物と柔らかく接触をするということで、この反対がハードランディング、つまり激突ということになります。概して、今までのやり方を急激に変えようとすれぱ、当然そこには激突が起こります。例えば学校制度を全面的に廃止しようという学生の考え方は、当然学園騒動を生むことになりますが、学校内のあり方をもっと現代人に適したものにしようという努力に切りかえたために、ソフトランディングができたようです。これからの世界は、豊かな社会、脱工業化社全で育った世代と、貧しい社会、工業化社会に育った世代という異人種が協力して作り上げていかねばならないために、この二つの異人種は、そりも向かず、真正面から激突もせず、いわば、斜にソフトに接触する必要があるのでした。この言葉は、広い視野で定評のあるケネス・ボールディングも使っていました。彼は地球号という宇宙船のソフトランディング軟着陸という使い方をしています。どんどん加速をつけて飛びたった地球号は、そのうち公害で大爆発を起こす。といって、急にブレーキをふめば失速して墜落する。失速して大地に激突しない程度にスビードをゆるめて軟着陸することを考えるぺきだ、とボールディングは言っていました。

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